「急がば回れ」がダメな時もある
昨晩の地震で多くの帰宅困難者、今朝は出勤困難者が出たようである。多くの人が別の交通手段、ルートで移動できないか模索するのも馴染みの風景。とにかく駅にも入れず、並ぶのは無力感を押し付けられているようで嫌なものである。昔の自分を思い出してしまった。
以前、台風の翌日だったと思う、出勤しようと駅に向かうと駅構内に入れない。改札前には多くの人でごった返している。倒木があったとのことで、復旧見込みは不明とのアナウンス。
別に会社が好きなわけでも、仕事に使命感を持っていたわけでもないのだが、どうしても会社に行かなければという妙な義務感みたいなものが湧き上がってくる。
こういう時便利なのがスマホ。調べると隣の駅まで行けば別の路線で会社方面に移動できそう。しかも隣の駅まではバスがあり、30分程度で移動できそうである。
復旧見込みがわからないよりも、バスで30分移動して別路線が良いと判断した結果、駅前のバス停へ移動。同じ事を考えて人が多いのか、それともそもそも混んでいる路線なのか、バス停はちょっと長めの人の列。
すぐにバスは到着し、座るのは無理だったけど乗車はできた。混雑していたけど30分程度の我慢と思っていた。
でも現実はそんなに甘くなかった。
付近の住民の生活用路線のようで、ほとんどのバス停で人が乗り降りする。普段は余裕のある車内なのかもしれないが、隣の駅に向かう人でギュウギュウ詰めになっている。つまり人が乗るのにものすごく時間がかかる。さらに降車する人がドアのところまで車内を移動するのはもっと時間がかかる。
バス停に停まる度に2~3分、場合によっては5分以上かかってしまう。さらに悪いことに渋滞につかまってしまい、遅々として進まない。
隣の駅が見えてきた時には1時間30分近く経っていた。渋滞は続いていたので、駅前のバス停の1つ前で降りて走って駅に向かったのを覚えている。
駅についてみると、復旧見込み不明となっていた、いつも使っている路線は私が駅を離れてから30分後ぐらいに運行再開したらしい。とんだくたびれ損の骨折り儲けである。
その後急いで会社に向かったが、当然遅刻。疲れてしまったので、十分に働けなかった。お客様との打ち合わせがあり急いでいたのだが、先方も大幅に遅れて到着となったため、ほぼ問題はなかった。
バスで迂回という誰でも思いつく代替策に人が集中してしまい、結局はそちらの方がよりダメになった例である。
「急がば回れ」よりも「待てば海路の日和あり」だったなと思った。この日以降、台風などの自然災害で交通機関が不通になっている場合、しばらく待つようになった。
復旧が進まない状況であり、加えてどうしても出勤してやらないといけない仕事がない場合(つまり明日に回せる)、必要最低限を電話やメールで済ませて、迷わず有給休暇を取得するようになった。
どうしても出勤が困難な日は、神様が休みなさい、と言ってくださっていると思うようになった。